寒天

ところてんの素と茄子

先々週の「茶懐石料理」講座で「滝川豆腐」を実習し、材料の寒天について説明した。Y嬢が「え〜っ知らなかった」と仰ったので、参考になるよう自宅から「ところてんの素」を持ってきた。
寒天は紅藻類のテングサ属まくさ、オゴノリ属おごのりなどを煮溶かし固めて一旦「ところてん」にする。それを凍結させ、乾燥したもの。
我が家から車を走らせ約40分、岐阜県南東部、恵那郡(今も郡かなぁ?)南部の山岡町が有名な産地で、随分前に見学した。日本では江戸初期、戸外のところてんが寒気で偶然凍結したことが製造のはじまりとされる。山岡町で生産を始めたのは昭和初期からとのこと。
細く仕上げられた糸寒天は一番上質と言われる。他には、水に浸して戻す手間の無い粉寒天がある。寒天のゲル化力は強い弾力を持つが、ゼラチンに似た弾力に仕上がるアガーもある。
同じ寒天でも、性質を活かして使い分けると仕上がりが良い。地味な食材だけれど、食品加工の凝固剤、粘強剤、乳化剤に使われている。あまり知られていないが、化粧品の材料としても使われる。
粉末状のものは、中国からの輸入品が多いと聞いているが、いずれ糸寒天の生産も海外に移るのだろうか。
写真は「ところてんの素」と今日の講座で使う賀茂茄子。茄子も種類が豊富で面白いけれど、今日はこれでサヨウナラ!