起点と意志

吹寄せ

春と秋は過ごしやすく、お稽古や何か物事を始めるには良い季節。以前から興味を持っていたこと、新しいこと、いずれも興味を持つ何かがあったと思う。
始めるきっかけは何であっても、継続し研鑽を積むのは本人の意志と環境次第と思う。
私の場合、茶道稽古の入り口は、師匠に恵まれ「美味しいお菓子を食べにいらっしゃい」と敷居を低く、子供に分かりやすく誘導されてのことだった。
トランプの「七並べ」に例えたら、障害なく出しやすい良いカードを与えられ、勝たせてもらったようなもの。子供扱いから始まった茶道稽古の奥深さに気が付くのは、すっかり歳を重ねた大人になってからだった。
修行不足で今に至って、お粗末だが現在も興味があるのは、陶磁器の町・多治見で育ったお陰かもしれない。
私の知る範囲で全てではないが、標準的な収入の家庭も「家宝」とされる美術工芸品を所有している。そうした「掛け軸」「陶磁器」「絵画」の類は茶道に関連があるものね。
昔の「絵付け屋」さんは、手描きが中心だから「絵画・書」を鑑賞する目は高かった。「釉薬・くすり屋さん」は焼成された「釉薬と造形美」に拘った。現在と比べて、他の分野でも地場産業を支えて働く人が多かった。
で、本日お伝えしたいこと、子供の頃から本物に触れる機会に恵まれるなら、それは貴い財産になると思う。
多治見にある岐阜県現代陶芸美術館で12月16日まで開催されている「じゃんけんぽんの考え方ー勝ち負けのない共存」は子供も興味が持てる展示に工夫されているように感じた。
異なった文化と伝統を持つ韓国・台湾・日本が、お互いをより理解して交流・共存しようという願いが込められた作品の観覧に、大人も子供も足を運んで頂きたい。
最近のニュースを見て、他国とのお付き合い、家族のあり方、考え方の温度差から「じゃんけんぽんの考え方」いいと思ったのよ。
纏まらない内容になったけれどお勧めの展示です。今、会場の周りは写真のように紅葉も楽しめますよ。
さて、講座が始まる、また明日!