秋の夜空と月餅

月餅

本日、午前は多治見の市民プラザで美濃陶磁展(建物と展示会の名称は違うかも)を拝見し、その足で古くからある骨董店を訪ねた。
そこで、欠けてしまったお気に入りの皿の直しを依頼するつもりだったが、店のご主人が去年に亡くなられ、奥様は直しをされないとのことだった。
器の風情を損なわず、品良く直して下さる方だったので、とても残念に思う。他の技術者をご存知ならば、紹介して頂くようお尋ねしたが、ご子息は仕事を継がれていないし、ご家族以外の何方にも技術の伝承はなかったらしい。
漆や金継の直しは20〜25の作業工程があるとのこと。直して使わず、新しい物に取り替えることが多い今時に、直しの需要は少ないだろうし、技術者が収入に恵まれなければ仕事にならない。残念だけれど、他のところに依頼しよう。
別の場所に待たせていた母に事情を話すと「時間が長いから、えらく手間の掛かる直しを頼んだと思ったけれど、そうなのぉ〜、それで直すほど良い器なの?」と言われ「フン!そのカバンと同じくらいだよッ」と返した。
数回の修理や染め替えをされた母のバッグ、物を大切にする習慣は、貴方が躾けてくれたんじゃなかったかしら?
写真は月餅、秋らしい夜空になり、月の美しさと共にお菓子も楽しみたい。
さて講座が始まる、また明日!