慈姑

クワイ煎餅

お正月シーズン以外は存在感が薄いクワイオモダカ科の多年草。「芽が出る、めでたい」と縁起物の野菜として、おせち料理に利用される。
中国が原産で日本や中国では塊茎を食用とする為、水田栽培されるが、欧米では花を観賞用とし草丈は高さ1メートルになるそうだ。
食用には春から夏に塊茎を水田に植え付け、地上部が枯れた秋から翌春までの間に掘り取るとのこと。そうした栽培期間の長さの為か、生の状態で年中入手しづらく、一般的に広く料理に使われていないと思う。
甘さとホロ苦い個性はあるが、他の食材ともよく調和する。調理法と加熱時間を好みに加減すると様々に楽しめる。
写真は本日の「茶懐石料理」講座の八寸、慈姑せんべいに調理した。スライサーでなく、ある程度の厚みを持たせ、サァーッと包丁を滑らせて薄切りにする方が美味しく仕上がる。
ちなみに中国料理に使われるシャキシャキとしたクワイは、カヤツリグサ科のオオクログワイで別種の物らしい。
入手できる今の季節に、充分楽しみたい。では来週までサヨウナラ〜。