ダイエット

父が体重を減らす努力をしている。去年の春あたりからだったと思う。それ以前は、太っていても健康ならば気にしない、食べたいように食べるという生活だった。70を過ぎてやっと自覚し始めたらしい、一年半の間に少しは減量できた。

去年一年は積極的に協力した。ダイエットサラダ、スープ、ゼリー、ジュース、お茶など出来るだけ作った。どのレシピもオリジナルで父が食べやすいように、飽きれば食材を変え、味付けを変えたりした。真面目に取り組んでくれていたら、今頃はスラリとなっているはずだった。

その他の協力は、私だって甘いものは大好きなのに家に持ち帰らないようにした。母と買い物に出掛けるときは、こっそり外で食べて知らん顔して帰宅した。それでも甘いものを完全排除は難しく、本人は重さが軽けりゃOKと勘違いして食べる。カロリー計算をしようなどとは思っていない。

元々マイペースな性質なので、キャンディーや饅頭は小さくて軽いからカロリーは微量と勝手な解釈を通す。そのマイペースさに飽きれたことと、気力が続かず最近は協力していなかった。ダイエットの成功は本人の自覚と努力次第と思う。

けれど健康的に減量したい気持ちはあるらしく「今日は○○キロ」といちいち家族に報告をする。知り合いがダイエット食品で痩せたと聞き、興味を持ったようだったのでプレゼントしたK社のLを。シェイクのようで美味しいらしい、一ヶ月は続けて欲しい。

母と二人だけのとき「なんで、Lにしたの?」と聞いてきた。「う〜ん、K社なら国産大手だし、なんかあった時にねぇ、やっぱトシだし若者のダイエットとは違うよ」と仕事量は減ったものの、現役で働いてくれる父をやさしく見守り、いつまでもスネをかじるつもりの私達。